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疥癬(かいせん)

気になる皮膚疾患と症状

今日の先生は患者さんのお腹のまわりを診ているね。とても痒そうにしているようだけれど、どうやら疥癬のようだね。

疥癬(かいせん)とはこんな症状

ヒゼンダニ(疥癬虫)によって起こる病気です。皮膚の角質層に卵を産んで増殖していきます。1ヶ月の潜伏期間を経て、全身にかゆい皮疹(ひしん)がでてきます。家庭内や福祉施設・介護施設などで集団発生します。
看護・介護などの接触感染により、指の間、陰部を中心に、顔・頭を除いた全身にかゆいブツブツした丘疹がみられ、かゆみは夜間にとくに強くなります。基礎疾患があったりすると、虫が極めて多数増殖し、手足などに厚いガサガサした皮疹がみられます(ノルウェー疥癬)。この場合、伝染力は極めて強くなります。

おおやま先生からのアドバイス

皮膚症状および周囲の人の症状から疥癬を疑った場合、必ず、病変部の角質層をこすって顕微鏡で虫体、虫卵を確認します。以前から硫黄を含む軟膏の外用やムトウハップという硫黄の入浴剤が使われていましたが、今は使われなくなりつつあります。現在はオイラックスの外用や内服のストロメクトール(1回内服、経過により1週間後に再度内服。)を服用します。

通常感染の場合、同室で布団を並べないこと、長時間肌と肌を接触させないこと、そして衣服、下着、タオル、シーツなどを他の人と共用しないで、毎日しっかり洗うことが大切です。
ノルウェー疥癬の場合、極めて強い感染力を持つため、必ず先生の指示を受け、それに従った生活をする必要があります。